ビスタクルーズ的アフターコロナ(その1)

1.コンサルティング会社にとってのアフターコロナ 

当社は2006年に創業したコンサルティング会社です。 

あらためてそう申しますのは、遥か昔、そうあとで触れますが、今回のテーマが新型コロナの「個人・社会」そして「経済・企業」ひいては「国際」への影響、変化予測を趣旨とするのですが、ちょうどリーマンショックが日本のIT業界・コンサルティング業界にもひどく影響をおよぼしていた2009年度にわたしが書いたエッセイと酷似することを、また、このブログの一部でお話するのだぁ、とそう思い出しましたのでつい、冒頭で(懐かしさも込めて)取り上げることにしました。 

当時、私は、こう書いています。 

私たちビスタクルーズは、総合コンサルティングサービス会社として2006年に創業し、年々着実に発展してまいりました。 

(略)

グローバルにおける技術革新の猛烈なスピードやとまらない社会構造のドラスティックな変化は、事業をとりまく環境のみならず「コンサルティング」という私たちのサービスの性質自体を大きく、また、恒常的に変えてしまおうとしています。コンサルティング会社とは何か、そういう問いかけを真摯に立てかけるべきですし、同時にまた、問いかけに対して得られた回答は実際のサービスという形で即座にアップデートされていく、その繰り返しこそが私たちビスタクルーズに課せられた成長の根源であろうと理解しています。 

近年、企業をとりまく様々な問題・課題に見られるひとつの特徴として、一企業・一部門に閉じての解決が可能な類の問題・課題にこれ以上もう取り組むのは無駄ではないか、真の成功となることはほとんどないのではないか、といった直感的な思いがあります。ビジネス環境は、新市場の形成やプラットフォームの改革的構築という来たるべき先進的な変革の潮流に向けて、確実にシフトし始めているのではないでしょうか。

ビスタクルーズは、こうした新潮流が迎えるコンサルティングサービスの役割を、今も、またこれからも、万全の準備と品質を以て担ってまいります。 

世界中には多くの優秀なコンサルタントが多くの専門分野に渡りご活躍されており、当然のことですが、ITのみが、企業戦略のみが、コンサルタントのフィールドではありませんし(今最も不足していると言われ、企業の業務改革を担う高スキルが必要とされる業務・システムコンサルタントも唯一無二のコンサルタントではありません)、コンサルティングは、分野に寄らず、市場の困りごとを敏感に察知し、そこから体系的に「問題・課題」をくみ上げ、「解決・ソリューション」を(これまた)体系的に形成して、体制とスキルと巻き込み力で現場パワーと馬力で改革していく、そういう仕事ですので、何かの資格を取得したらマネージャーに昇進したら「はい、終わり」では当然ないわけですし、事業会社勤務とコンサルティング会社勤務とで、どちらに特性が高いかなんて全く愚問になってしまうわけです。 

アフターコロナの世界を想像することは、コンサルタントでなくても、先ほど申しました通り、「グローバル」「経済」「企業」「社会」「個人(家庭)」への変化が尋常でない以上、全ての人々にとって「我がごと」の問題・課題です。非常事態宣言が解除されようが、過ぎ去ったことではありませんし、これから「わたし」に起こる現実であり未来であると私は考えています。ここがよく比較される「金融機関」に起因する2008年9月のリーマンショックと今回の「ウイルス」起因の新型コロナ・ショックとの差異になるでしょう。当時は、各国の政策対応も金融機関の支援が中心でしたので、包括的な景気対策は実体経済への影響を緩和するために打ち出され、スケールから守備範囲、何から何まで違うわけです。 

期せずして、出自がコンサルティング会社である当社は新型コロナの影響により、ITコンサルティングのフィールドや社内文化については本来よりももっともっとスピーディーに、その他の関連フィールドについてもアフターコロナのトレンドを描く宿命を・言葉を、持ち合わせるべきと言わざるを得ません。 

2.ビスタクルーズ的働き方改革 

電通が、本社勤務の5,000人を対象に在宅勤務にすると発表し、資生堂が8,000人の出社を禁止すると発表した日から遅れること2日、2020年2月27日、当社も全社在宅テレワーク可という趣旨の全社案内を展開しました。 

あまり良くないニュースも世間を騒がせており、
心身ともに不安定な状態が続くかたも多いかと思いますが、
皆さまにおかれましてはまずもって皆さま自身そしてご家族の
ご健康・健全な生活の確保を優先していただきつつ、会社と
しても出来る限りの協力をしたく、以下ご提示します。

在宅で可能な仕事は在宅ですることも可

 ※チームス、wherebyなどテレカンのコミュニケーションを活用

ご本人の体調が思わしくない場合は、(他の時期以上に特に)無理をせず静養および快復に努める

オフィスでも在宅でも手洗い・うがい・消毒・殺菌励行

もともとフレックスですが、出勤時間をズラすことも検討していただく

これは、全国で小中高一斉休校を内閣が要請した日と同じ日、日立製作所が国内1万人に在宅勤務許可を出した日、米アマゾンがシアトル本社で在宅勤務を指示した日、例のシャープ製マスクの生産要請の日などよりも早い決断でした。私たちビスタクルーズは、エミリー事業として、フリーランスのエンジニア人材、コンサルタント人材の皆さまに良質な国内案件をご紹介する事業を行っており、また、自社開発AI×Webリーガルテックの国際法務(B to B Saasサブスクリプション)サービスの開発を行っており、IT現場として世界中のリモート環境とつながって仕事をしているのを常態としており、仕事環境をどうテレワークへ移すかという課題よりは、ウイルスの脅威を心配するほうが先でした。優秀なママを積極採用してきた会社の経緯もあり、もともとテレワークや勤務時間体系には、新型コロナに寄らない柔軟性をもともと兼ね備えていたと言えます。 

5月末現在、ぶり返し(第二波)的な感染者数増加が東京ではカウントされていますが、一説によりますと、COVID-19によらず21世紀は様々なタイプのコロナウイルスと人類は対峙していかなければならないと言われています。そうした普遍的な「前提」が(たとえなかったとしてもリスク・マネジメントとして)成り立つ社会では、私たちのマインドは、パラダイムシフトを起こしつつ身の安全と最適な行動規範を確立するよう、上手にシフトしていく必要があるでしょう。 

キーワードは「DX」です。 

わたくしごとですが、当社は、2019年の秋から、2020年度の施策の中心をDXに据えることを社内で説いてきました。コロナウイルスの影響で、更にそれが加速して(しまい)、待ったなしの状況になってしまっていることは、どれだけ認知されているか、2年先の話がこの夏くらいまでに迫っているくらいの感覚で前倒しになって来ているような状況だと感じられます。 

ビフォー・コロナの働き方の代表選手である「対人重視」「モノ重視」「職場・場所の制約」「オフライン会議」「セキュリティ問題」が、アフターコロナでは、社会全体の感染症の予防という大義名分でもあり本来国家にとっての最重要事項でもある命題と、社会全体のIT活用の進化が笑いが出るほどに利害が一致してしまい、先ほどのリーマンショックのくだりの話も巻き込むと、個人生活の分野さえもカバーして社会全体のDX化を早期実現せねばならないというIT需要が発生するということになります。 

(コンサルティング事業の編とエミリーコンサルタント事業の編で再登場します) 

もっと言うと、非対面オンライン教育、テレワーク、バーチャルイベントという変革のグローバルでの普及は私たちの別の事業にも大きなプラスになるのではないか、と考えています。 

さて、当「ビスタクルーズ的働き方改革」では、2020年2月27日に全面テレワークを開始しましたというお話で、現在もなお、従業員の皆さんほとんどは自宅勤務が続いています。オフィスの利便性がよいのと、6月になって、小中高で、部分的に学校が始まったという親御さん社員さんも出始めて、気分転換にオフィスにいらっしゃるようになり、チラホラと5月以前よりは人数が増える日が多く見受けられるようになりました。 

アフターコロナのビスタクルーズ的働き方改革の本質は、VCの企業理念・企業文化の浸透です。言い換えれば、人間社会の矜持を持ってアフターコロナの変化を認め、前へと歩を進めることです。私たちビスタクルーズは2022年度までに次のステージへ向けた変革の道を歩んでいます。その成長段階ではありますが、働き方改革の本質は変わることがありません。 

業務効率とコミュニケーションを求める構造改革をコンサルマインドにより実装する社風であり、適応性と敏捷性を兼ね備えた企業文化です。 

■企業理念:

次の世代を担う未来の大人たちが、より働きやすく、生きやすい環境を創造し続けます 

■サービス理念: 

私たちは、人の気持ちに寄り添います 

■企業文化:4つの行動指針 

  1. 自分の成長を求めつつチームの成長を支えます 
  2. 仕事の効率性を重んじプライベートを充実し、公私の好循環により人生に大切な資産を築きます 
  3. 事業のオーナーシップマインドを忘れず、考える・決める・動く・経験を活かすことを習慣とします
  4. 出来ない理由を探すのではなく、自分と向き合う勇気を持ちます 

■企業文化:ビスタクルーズで働くこと 

  • 自由で部署を越え誰とでもコミュニケーションできる人たちです。インプット・アウトプットに集中したいときの切り替えが可能な環境 
  • 年功序列ではない 
  • 年長者もプレイヤー(兼マネジメント)です。また、人脈やネットワークが資産です 
  • 若者は発想力においてそれ自体が存在価値です。頭脳明晰でスキルアップを怠りません 
  • 常に自由と(個のみならず全体を含めた)責任が平等に与えられます 

等 

いま、全面テレワークを始めて丸3カ月と2週間ほどが経ちます。クライアントとの接点のお話を入れると焦点がボケますので、一旦、社内の働き方だけにお話を絞りますと、ざっくり以下のようになるのではないかと思います。働く従業員一人ひとりの観点、会社の観点ともに含みますと、 

■充足している点、良化している点 

  • 定例会議のオンライン(Whereby / Zoom等)による実現 
  • 従業員間での各種チャットツール(teams / slack 等)による実現 
  • 自宅での勤務(実務推進) 
  • ラッシュ時の通勤回避 

■充足していない点、悪化している点 

  • 自宅での勤務が、そもそも職住融合を前提にしていない(家族や間取り等) 
  • 本社オフィス増床直後に全社テレワークとなり、新品オフィスが淋しい 
  • 主に自宅作業とクラウド、という観点で、セキュリティ⇔プライバシーの線引きをシステム課が再考中である 

などといったところになり、やはり、自宅テレワークを主たる働き方として定めていく場合に物理的なオフィスとは何か、というところが一番のポイントになってきます。次に、オンラインでのコミュニケーションが定例会議や宛先を指定した目的的チャットになることから、コミュニケーションの幅が限定されている現実をオフラインとの差異として指摘する必要があるでしょう。雑談・相談・むだ話・今月から入社した社員はどうやって他事業部の人と絡めばよいのか問題・タバコ部屋(当社は健康経営なのでオンラインの話ですが)問題、など、現時点の自宅テレワークの状況では、オンラインも、ましてやオフィスの使い方定義未済というオフラインでも、コミュニケーションに対する方針を会社としては「十分に」提示していないことになります。ほとんど、コミュニケーション力があり、自ら乗り込んでいける頼もしい人たちであり、心配ないのですが(※)、万が一部署をまたぐ横串でのコミュニケーションが仕掛け・仕組としてオンライン・オフラインによらず用意されていないのでは、用意されてある場合と比べて仕事が円滑にいかないこともあるでしょうし、無益なコミュニケーションコストを未然に防ぐことの確率も減ってしまいますので、めぐりめぐって私の時間もまた遅くなってしまう(昨年の冬はすごく時間を費やしました)ので、非常に重要な問題なのです。 

ビスタクルーズ的アフターコロナ(その2)へ続く 

※5月入社のK君は「成瀬さん、社員全員の名簿と所属一覧ください」(体育会系風に)といきなり対面で所望して、その勢いに、何とか、なぜとか言わず、「わ、わかりました」と私(笑)。 
従業員システムからCSVファイルをDLして成形して添付。後から「何に使うの?」と尋ねると「皆さんテレワークだし、みなさんの名前を覚えるのと、分からない事を誰に聞けばいいか知る為です!」と返事が。